スポーツブック運営企業とメディア企業との統合について

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どんなビジネスにおいても、心から満足して支援してくれるクライアントを獲得し、その関係を継続することが経営上の目標であるはずですが、スポーツブックも例外ではありません。スポーツベッティングを合法とする国が増えるにつれ、例えば日本でのアカウント登録に必要な個人情報の量の多さのために、顧客の獲得は早い者勝ちに違いないと考えるスポーツブックの運営者が、巨額の経費(一人当たり500ドル近くになることも)を投入してプレイヤーの獲得に奔走しています。その結果、スポーツの放送権をもつメディア企業が、広範な視聴者層の獲得を狙って、スポーツブックと提携関係を持つことが自然の成り行きになっています。

メディア企業としては、価値と複雑度において適切なバランスをとるために、業界での自社の位置づけに注意する必要があります。中には独占的な広告契約よりも、より広範なアフィリエートマーケティング(成功報酬型広告)方式を好む企業もあります。提携関係の条件には、顧客データへのアクセス、専用広告スペース、提携プラットフォームにアカウントの登録を行った新規顧客1人当たりのCPA(顧客獲得単価)などが含まれます。

中には、提携企業で経営を左右する地位を獲得し、メディア企業を顧客に対応するスポーツブックブランドとして機能させるなど、より積極的なアプローチを取っている企業もあります。Fox社は スターズグループ(ファンデュエルも所有するフラッター・エンターテイメント社の一部)とのライセンス契約において、少数の株を買収しました。同様に、ペン・ナショナル・ゲーミングは、バースツール・スポーツの大半の株を買収し、その顧客ベースとブランドに対するアクセス権を獲得しています。ペン・ナショナル・ゲーミングは、バースツール・スポーツを立ち上げたばかりで、将来他の市場への拡大も目論んでいます。Fox とペン・ナショナル・ゲーミングは、どう転んでも将来さらに多くの株を買い占める機会を手に入れたのです。

ところが驚くべきことに、日本のメディア企業には、放送権を持つ企業がスポーツブックを経営するライセンスを取得できる完全な垂直統合に乗り出している企業はありません。この種の統合は、プレイヤーに一貫したスムーズな体験を提供できるのが強みですが、障害や懸念が全くないわけでもありません。

その一つは、国の賭博管理委員会が直接的あるいは間接的な所有権を大幅に(通常5%以上)買い取って、ライセンスを取得しようとする企業や個人に対して、頻繁に詳細にわたる情報の開示を要求するために、メディアの大企業は、買収当初はわずかな収入しか期待できないことを懸念して足踏みをしているのです。Fox がスターズグループの所有権を、情報開示が要求される5%の閾値をわずかに切る4.9%にとどめているのは、おそらく偶然ではないはずです。

また、スポーツブックを経営するためのビジネス能力を甘く見ることもできません。これまでになかった斬新な考え方や、多くのメディア企業で働く人材を超える優秀な人材群が必要となる場合もあります。さらに、初期投資をして組織を立ち上げる必要もあれば、巨額の資金を後ろ盾に早期参入し、弱腰の新規参入者たちを蹴散らしている業界の大手企業との競争にも立ち向かわなければなりません。

スカイベットは業界をリードするイギリスの会社で、一番最近に行われた垂直統合の例です。同社は大半の経営権を一旦手放したにも関わらず、その後に本物の大勝利を遂げました。スカイベットはスポーツベッティングのオファーを同社の強力な放送権と結びつけることにより、参入企業で溢れかえる業界の中で急速に市場シェアを伸ばすことに成功しました。さらに同社はヨーロッパ全土に事業を拡張する際に、国ごとに異なる規制上の制約を一つ一つ克服することにも成功しました。

このように、今後スポーツ放送権を持つメディア企業とスポーツブック運営企業の統合がこれまで以上に重大な意味を持つことになるのは間違いありません。そして統合の形態は、一貫して垂直統合の形態をとるのがごく自然な成り行きとなるでしょう。顧客たちが一つのプラットフォームでライブ放送を見ながらギャンブルするといった具合にです。そのビジネスが成長していく上で起こるすべての統合に垂直統合の形態を確立するには、スポーツクラブやリーグ、そしてメディア企業が全国、都道府県、及び市町村向けの放送権を見直す必要も出てきますが、大勢のファンが待ち望んでいるものである以上、いつかはきっと実現することになるでしょう。